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【禁聞】牧場強制占拠に抗議 遊牧民6人に不当判決

2014年01月14日

【新唐人2014年1月14日付ニュース】新疆ウイグル自治区とチベット自治区の集団抗議に続き、ここ数年内モンゴル自治区でも、頻繁に民衆の抗争事件が発生しています。先日、国有営林場に牧場が強制占拠されたことに抗議したモンゴル族遊牧民6人が、当局から「生産経営秩序破壊の罪」で起訴され、それぞれ1年から2年の不当な刑期を言い渡されました。家族と弁護士は判決を不服とし、控訴する方針を決めました。

 

先日、内モンゴル自治区赤峰市翁牛特旗(オンニュド)新蘇郷嘎査村の遊牧民6人が、牧場占拠を抗議したことについての裁判が行われました。起訴状にはこの6人が地元の遊牧民を煽動し、営林場作業員の作業を邪魔し、経済損失を被(こうむ)らせたことが挙げられており、「生産経営破壊の罪」にあたるとして、地元裁判所からそれぞれ1年から2年の実刑判決を言い渡されました。

 

2年判決を言い渡された遊牧民・特古斯巴音(Tugusbayar)さんの姉、沙布杜(Sobdooソブドー)さんは、1月4日に判決書を受け取ったと話しています。

 

遊牧民・特古斯巴音の姉 沙布杜さん

「家族は控訴の準備をしています。罪がないのに、判決を下されています」

 

同じく2年の判決を言い渡された嘎査村村長・図力古日(Tulguur )さんの妻・莎蘭高娃(Sarangowaa)さんによると、1月4日、看守所に行ったときに判決書を渡されました。6人は昨年12月に判決を言い渡され、現在、弁護士を通じ控訴を行っているそうです。

 

村長・図力古日さんの妻 莎蘭高娃さん

「10日以内に控訴しなければなりません。彼はまだ看守所にいます。控訴状は弁護士が作成中です」

 

地元遊牧民によると、先月12月30日から31日の2日間、200人近い遊牧民が市政府の入口で、6人の起訴に抗議しました。

 

遊牧民 胡さん

「一体何の罪なのか説明を求めました。区役所の役人にはまだ会っていません。彼らを訪ねても、取り合ってくれません」

 

この問題は昨年6月、国営林業公司「双合林」が不法に遊牧民の放牧地を占拠したため、6人の遊牧民が作業員と衝突を起こしたことから始まっています。遊牧民らの最初の弁護士・呼和宝力高(Huhuobaoligao )さんは、地元政府に脅迫され、この案件から手を引きました。

 

このモンゴル族弁護士は、この案件はただの土地争いなのに6人は刑事処理され、判決は明らかに不公平であると指摘しています。

 

モンゴル族弁護士 呼和宝力高さん

「彼らの行動は罪にはなりません。検察側の証拠も不十分で、罪名は無理やり付けたものです。後に6人を拘束しましたが、6人は罪を認めず、公安局、検察局、裁判所が毎日看守所にやって来て、罪を認めれば釈放する。でなければ、判決を下すと説得しました」

 

罪を認めなかった遊牧民2人は、2年の実刑判決を言い渡されました。当局に脅迫され罪を認めた他の4人も、結局1年半の拘置と執行猶予を言い渡されました。

 

弁護士は、この案件の起きた原因は、そもそも国有営林場が遊牧民の土地を占拠したことにあると指摘しています。

 

モンゴル族弁護士 呼和宝力高さん

「土地管理法には規定があり、土地問題で争いが起きた場合、双方はその土地の現状を変えることは出来ません。この案件発生当時はすでに土地争いが起きていたので、土地の現状を変えられないはずです。営林場職員が違反したので、我々がそれを制止しようとしたことは合法的な行為です」

 

また、匿名希望の弁護士がメディアにあかした情報によると、以前から村民たちは市政府と北京へ陳情しており、地元政府もこの件で上層部の批判を受けていたため、遊牧民に対し刑事処理という手段を採ったとのことです。

 

南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)の『南モンゴル観察』サイトは、地元遊牧民の話しを引用し、裁判当日、当局は遊牧民の代理弁護士の出廷弁護を禁じ、数百人の遊牧民が法廷で傍聴することを妨害したと伝えています。

 

情報によると、土地を占拠された遊牧民らは7年も陳情を続けているため、当局の長期にわたる監視や迫害に遭っています。昨年は300人の遊牧民が政府の違法な土地売買と遊牧民6人の逮捕について、各級政府及び検察院などの部門に書簡を送り、地元政府の前職と現職の共産党書記が結託し、2万畝以上の土地を違法に売却したことを指摘しました。

 

内モンゴルは中国北部に位置する資源豊富な省クラスの民族自治区です。中国総面積の十分の一を占め、中国最大の石炭埋蔵量を保有しています。人口約2400万人のうちモンゴル族は2割弱。ここ数年、内モンゴルの遊牧民が国有鉱業公司と営林場による牧場や土地の占拠に反発し衝突する事件がたびたび発生しています。

 

2013年3月、内モンゴル自治区通遼市ジャルート旗の遊牧民が数万畝の土地を収用されたことに不満を抱き、北京に陳情しようとしたところ、地元警察に阻止されました。2011年には、遊牧民が鉱業公司のトラックに轢かれ死亡する事件が発生し、大規模デモに発展しました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/01/08/atext1039174.html(中国語)

(翻訳/赤平 ナレーター/水田 映像編集/工)

 

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